星新一・31歳、代表作となるボッコちゃんを発表する。

星新一は父から受け継いだ会社が倒産（1951年）した後に、31歳（1957年）で作家デビューした。どの作品群も魅力的だが、代表作にあげられることも多い「ボッコちゃん」はデビュー翌年に発表している。日本でもっとも有名なショートショート（特に短い短編）作家であり、「日本SF作家クラブ」の初代会長である。主人公はいつも「エヌ氏」や「エフ氏」とよばれる、特定の地名や固有名詞はでてこない、常用漢字以外は使用しないなど、独自のスタイルを貫いて書かれている。シンプルで時代に風化しないその作品は現在も愛され続けている。57歳（1983年）で目標のショート・ショート1001編を達成してからはほとんど執筆をしなくなったという。